六社めぐり(六社一観音めぐり)
高賀山麓にある六社を巡回して参拝する信仰で、高賀山信仰が盛んだった江戸時代から昭和20年ごろまで行われていました。現在も、白谷観音(関市板取)を加えた「六社一観音めぐり」が行われています。
六社めぐりの起こりは次のとおりです。
昔、瓢ヶ岳には妖鬼が住んでおり、たびたび粥川の里に下りてきて人々を悩ませていました。そこで、帝の命により、藤原高光が妖鬼退治をすることになり、高光は見事妖鬼を倒しました。しかし、妖鬼の亡魂が山頂にとどまり、人々を苦しめたので、再び高光が亡魂退治をすることになりました。
亡魂は変幻自在に行方をくらますため、困り果てた高光が虚空蔵菩薩に亡魂退治を祈ると、お告げがあり、それに従って南岳で待っていると、三メートルほどの大きな鳥(鵼)が襲いかかってきたので、蕪矢で射ると命中し撃ち落とすことができました。
その後、高光は、高賀三山(高賀山・瓢ヶ岳・南岳)の麓に虚空蔵菩薩を本尊とする六つの社を建立したとされています。 六つの社とは、本宮神社(八幡町那比)、新宮神社(八幡町那比)、高賀神社(関市洞戸)、滝神社(美濃市乙狩)、金峰神社(美濃市片知)、そして星宮神社を指します。高賀修験集団によって六社をめぐる信仰が成立し、のちに庶民の間にも流行していきました。